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MARVEL 映画 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 感想
彼らはノリと笑いで困難を切り抜ける。
お尋ね者の寄せ集め集団は銀河を救えるか!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
原題 GUARDIANS OF THE GALAXY
ネタバレもありますので注意して読んで下さい。
あらすじ
自らスター・ロードと名乗るトレジャーハンターのピーター・クイル(クリス・プラット)。ピーターは無限の力を持つパワーストーンのオーブを入手するものの、その後逮捕され刑務所にぶち込まれてしまう。ピーターは天才メカニックのロケットら刑務所で出会った仲間と脱獄するも、オーブの力で宇宙を滅亡させようとする強大な悪と戦うこととなり……。
監督 ジェームズ・ガン
日本公開 2014年9月13日
感想
MCUが放つ大スペースオペラ。主人公たちはノリと笑いで困難を切り抜け、銀河を救うべく立ち上がる。
結論から言うと面白いの一言に尽きる、今までのマーベル作品を全く見ていなくても楽しめるし、今までのマーベル作品を見ている人はもちろん楽しめます。
私なりの映画の楽しみ方ですが、私は映画は単純に娯楽であり、楽しければそれでいい。
特に、非日常的な現実離れして、その世界ににめり込むように入り込める世界観であれば尚更いいので、この作品はまさにそれ、どストライクの世界で何も考えずひたすらその世界に没頭できます。
MCU作品の流れからすると、今までの作品とは違い、アイアンマンやアベンジャーズなどとは少し距離を置いた位置に属している作品だと感じます。
なぜなら、この作品がすぐにアベンジャーズにつながるとは想像できないし、かといってマーベルの作品なので、敵のキャラクターにはアベンジャーズに少しだけ出ていたサノスもいるので、いずれはつながるのはわかっているけれど、どう繋がるのかが読めないからですね。
アベンジャーズの3作目インフィニティ・ウォーにガーディアンズのメンバーが出ることはプレス発表でわかっているので、どのようにアベンジャーズと絡んでいくのかはもう少し待ちたいと思います。
物語は主人公のピーター・クイル(スター・ロード)が幼い時母を亡くし、その後、宇宙人(ヨンドゥ)に連れ去られて宇宙海賊の一味として育てられたというストーリー。
最初の母親が亡くなるシーンとその後のクイルが惑星モラグでオーブを盗み出すシーンは話が飛びすぎて、ついていくのに少し時間がかかり、違和感を覚えるかもしれません。
でも、そのあとのストーリーは淡々と進み違和感は消えます。
クイルが持っているウォークマンもラジカセも何回も出てきます、古いものですが、見慣れると宇宙船になじんでいて新鮮な感じがするのでその辺を意識して見てみるとおもしろいですよ。
ストーリーの合間に何度となく流れてくる1970年から1980年代のヒット曲もアクセントとしていい味を出しています。
アメリカでも異例の大ヒットを飛ばし、特に北アメリカでは8月公開作品で歴代最高のオープニング成績を記録するなど。話題にもなりました。
ノスタルジックな音楽の影響もあり、幅広い年代に共感を得たことがヒットにつながったのではと思われます。
クイルはヨンドゥによって連れ去られた後、宇宙海賊ラヴェジャーズの一員だったが、単独行動が多かったようで、刑務所を一緒に脱獄したガモーラ、ロケット、グルート、ドラックスと目的は様々だが協力し合い、やがて仲間意識も芽生えてくる。
そして、オーブをめぐりヨンドゥやロナンと対立するが、銀河を滅ぼすほどの力があるという秘密を知り、仲間たちとぶつかり合いながらも銀河を救うべく立ち上がる。
物語的にはありがちな内容だが彼らの行動はどこかゆるく、それでいて真剣になるシーンもあり善人なのか悪人なのかイマイチ掴めない。
そんな寄せ集めのいい加減な集団にハラハラしながらも共感する自分がいる。
それは、時にはいい加減であったり、時にはまじめになったりと人間としての不完全さが露骨に表現されているため、無意識に自分自身と重ね合わせてキャラクターに共感していたため、おもしろく見られたのだと思う。
最後はガーディアンズ一丸となって宿敵ロナンと対決するのだが、その対決も時にはゆるく、時には超真剣に戦う彼らの雄姿を応援せずにはいられない、結末はほろりと感動するところもあり、深く胸に刻み込まれることでしょう。
そして、最後はスッキリとした気持ちでエンディングを迎えることができると思うので、絶対に一度はチェックしなくてはならない一本になるはずです。
見どころは?
・刑務所からの脱出
クイル、ガモーラ、ロケット、グルート、ドラックスの5人で刑務所から脱獄を図るが、ロケットが立てた作戦に意味があったりなかったりと、全員振り回される結果に。
銃撃戦や脱出シーンなどドキドキの連続だが、どこかマヌケで笑える演出が至る所に散りばめられていて見ていて退屈しない。
結局は何とかなってしまうのだが、結果よりもプロセスを楽しめ、とメッセージをもらってるようで、まじめにやるだけではなくとことん楽しんだもん勝ち、なのだと思わされる。
・ザンダー星での空中戦
ロナンの乗るダーク・アスター号の進入を阻止すべくザンダー星の上空で繰り広げられる空中戦が圧巻。
ロケットの考えた作戦でクイル達が交戦するなか、ノバ軍警察も味方してすさまじい戦闘が繰り広げられる。
ノバ軍警察の戦闘機を繋げたバリアもロナンのコズミックハンマーで打ち破られてしまうが、戦闘機同士が繋がったバリアの発想もおもしろく、映像も凄くキレイで見ごたえがある。
また、敵のダーク・アスター号もデザインが新鮮でこちらもカッコいい。日本のアニメや映画ではまず見ない斬新さが際立っていて、改めてマーベル映画の奥深さを感じることができます。
残念なシーン
・オーブに触れた3人
クライマックスでロナンを倒すとき、クイルがオーブを持ってエネルギーをコントロールするシーンがあるが、クイルと一緒にガモーラ、ロケット、ドラッグスの3人もオーブを持っているクイルに触れ、エネルギーを共有しています。
普通の人が持つと爆発し死んでしまうほどのエネルギーを持ったオーブだが、クイルは古代の未知の種族の血が流れているため助かるのはわかるとして、他の3人は死んでいてもおかしくないのに全員無事だった。
3人は直接オーブは持っていないもののクイルからオーブのエネルギーを取り込んでいるわけだから、それで無事というのはちょっと謎です。
設定としてイマイチ煮え切らないシーンだったと思う。
心に残る名シーン
・グルートの活躍
ザンダー星での空中戦、クイル達は作戦を実行すべくダーク・アスター号に突っ込みます。
最終的にダーク・アスター号の動力を切り船は墜落するが、その際逃げ遅れたみんなをグルートが守るべく枝を伸ばし丸く包み込みます。
船は地上に激突し大破、クイル達はグルートに守られて丸い枝がクッションになり全員無事、しかしみんなを守ったグルートは衝撃でバラバラになり死んでしまう。
なんて感動的なシーンなんでしょう。
わが身を挺して仲間を守ったグルートは素晴らしい、「私はグルート」しかじゃべれなく感情が伝わりずらいキャラなだけに、その行動は何十倍もの感動に変わります。
笑えるシーン
・全体的に笑わせてくれたグルート
この映画の全編に渡って笑わせてくれたのがグルートです。
この映画はグルートなしでは成立しません。
なのでグルートに注目して全編を見て下さいと言いたい。
ザンダー星で噴水の水を飲んでいるシーンから笑い、刑務所では他の囚人に鼻フックで体を持ち上げ、脱獄の作戦を聞いてすぐ実行してしまうボケっぷりに笑い。
オーブをコレクターに見せたノーウェアでは少女に小さな花をあげる優しさを見せ、暗いダーク・アスター船内で光る綿毛?のようなものを出して周りを明るくさせたりと、数えたらきりがないほどいろいろ活躍しています。
ホントにグルートは愛されキャラだと思うし、ほほえましいです。
・ノーマンの家が日本ぽかった
ロナンを倒し、ノバ軍警察から今までの犯罪歴を消去して、宇宙船も新しくしてもらったガーディアンズ一行、ノバの護衛兵ローマン・デイに感謝されザンダー星を後にするが、ローマンが自宅に帰り妻と子供と抱き合うシーンはなんか内装が日本の家っぽかった。
しかも日本の家っぽいというのは昔の家ではなく今の注文住宅の家という感じで、ローマンは襖のような引き戸を引いて部屋に入ってきたし、内装も柱が見えていて注文住宅っぽい感じです。
興味のある方は是非確認してみて下さい。
まとめ
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはスリル、興奮、笑い、そして少しだけ泣ける要素もあり、幅広い年齢層に見てもらえる作品ですね。
子供からカップルから大人まで楽しめる要素が多く、笑えるところもふんだんにあるため、純粋に楽しめるエンターテイメント作品だと思います。
また、MCUは共通の世界で物語が流れているため、話が他の作品と繋がっている場合が多いのですが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは初めて見る方でもそんなことは気にせず見れる内容なので、その分敷居も低いと思います。
今後はガーディアンズのメンバーもアベンジャーズと合流する流れになっているので、その時までにいろいろなMCUの作品を見て気分を盛り上げておくのもいいですよ。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はMCUでは第10弾に当たります。
次の作品は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」ですので、ぜひチェックして下さい。
MARVEL 映画 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 感想はこちらから。
MARVEL 映画 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス 感想はこちらから。
マーベル作品の各フェーズ
マーベルの作品は各フェーズごとに区切りがついています。
第1弾~第6弾は「フェイズ1」です。
第1弾 アイアンマン
第2弾 インクレティブル ハルク
第3弾 アイアンマン2
第4弾 マイティー・ソー
第5弾 キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
第6弾 アベンジャーズ
第7弾~第12弾は「フェイズ2」です。
第7弾 アイアンマン3
第8弾 マイティ・ソー/ダーク・ワールド
第9弾 キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
第10弾 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
第11弾 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
第12弾 アントマン
第13弾~第22弾は「フェイズ3」です。
第13弾 シビルウォー/キャプテン・アメリカ
第14弾 ドクター・ストレンジ
第15弾 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス
第16弾 スパイダーマン/ホームカミング
第17弾 マイティ・ソー/バトルロイヤル
第18弾 ブラックパンサー
第19弾 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
第20弾 アントマン&ワスプ
第21弾 キャプテン・マーベル
第22弾 アベンジャーズパート4(仮タイトル)
以上の順番です。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の全容を知りたい方は。
関連記事⇒マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは何なのか解説。フェイズ4の情報も随時更新中。をご覧ください。
おまけ
マーベルといえばエンドロール後に流れるおまけ映像が次につながる伏線になっていたりするので楽しみにしている人は多いはず。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでもおまけ映像はあります。
でも今回は伏線はないですね、もしかしたらもっと先の伏線なのかもしれませんが、すぐ先に繋がる伏線ではないです。
・ハワードが出ている。
オーブの謎を聞きに行ったコレクターの部屋、助手が暴走しオーブをつかんで爆発したため、部屋は滅茶苦茶の状態になっていて、一人呆然と座り込むコレクター。
そんなコレクターに話しかける者がいます、鳥人間のような生き物です。
そう、昔映画化された「ハワード・ザ・ダック」のハワードがコレクターに話しかけている様子が映っている。
この先のガーディアンズの作品に関係してくるのか気になるところですが、それはこの先の展開を見てみないとわからないですね。
ちなみにコレクターは「マイティ・ソー・ダーク・ワールド」のおまけ映像にも出ているので気になる方は。
MARVEL 映画 マイティ・ソー/ダーク・ワールド 感想はこちらから。
MARVEL 映画 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス 感想はこちらから。