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機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生赤い彗星 感想と見どころを紹介!
こんにちはブレイクです。
ガンダム好きというよりは安彦良和先生のファン、ということでこの作品を楽しみに待っていました。
安彦良和先生原作の「機動戦士ガンダム ジ・オリジン」の映像化作品第6弾、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅵ 誕生赤い彗星」の感想と見どころを語っていきます。
機動戦士ガンダムで1年戦争と呼ばれる戦争の前にあった出来事、ルウム戦役が舞台なっている作品で、これを見れば1年戦争はいかにして始まったのか、その謎も解けるようになっています。
コミックスでは機動戦士ガンダム THE ORIGIN(14) -ルウム編・後-の内容を忠実に映像化しているので、興味のある方は読んでみて下さい。
コミックスを読んだことがある方なら、わかると思いますが今回の作品がファーストガンダムにどうつながっているのかが描かれているので、オリジンの中でも重要な物語なんです。
それだけに待ちに待っていたファンは多く、前作のラストから期待も最高潮に高まっているため、早く続きが見たい方も多いことでしょう。
この記事は作品の感想と共にネタバレを含んでいます、すでに作品を見た方、ネタバレを知りたい方に向けて書いていますので、ネタバレを知りたくない方は作品を見た後に読んでもらうことをおすすめします。
目次
あらすじ
安彦良和のコミックを基に、安彦自身がキャラクターデザインと総監督を兼任し、「ルウム戦役」を全2話で描いたアニメーションの後編。
ジオン公国軍のシャア・アズナブルが「赤い彗星」と称されるようになる一方、地球連邦軍でアムロ・レイが新兵器「ガンダム」の秘密を探る過程が映し出される。
前作同様、オリジナルメカニカルデザインの大河原邦男、メカニカルデザインのカトキハジメ、山根公利、明貴美加、脚本の隅沢克之、音楽の服部隆之らがスタッフとして名を連ねている。
宇宙世紀0079年1月23日、ルウムでジオン公国軍と地球連邦軍の戦いの火蓋が切られる。
ジオン軍のエースパイロット、シャア・アズナブルは赤いモビルスーツ「ザク」を駆り、その活躍で「赤い彗星」と呼ばれるようになっていた。
そして激戦の末、和平交渉が行われ、ある声明が発表される。一方、地球連邦軍は「V作戦」を計画。
サイド7ではアムロ・レイが新兵器「ガンダム」の秘密に迫っていた。
作品全体の感想
今回の作品は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の過去編のシリーズとしては最後の作品です。
過去編の主人公はキャスバルことシャア・アズナブルが主人公となり彼を中心に物語が展開しています。
ですので、タイトルも「誕生 赤い彗星」となっていて、これを見ればなぜシャアが赤い彗星と呼ばれるようになったのかもわかります。
作品全体の感想としては、期待を裏切らない出来でした、コミックスの世界を壊すことなく忠実に再現できていたと感じますね。
ルウムの戦いの様子やシャアの活躍、レビル将軍の脱出劇から戦争継続の演説まで、ファーストガンダムではその片鱗しか見せなかったルウムでの出来事が事細かに描かれています。
ファーストガンダムからのファンでコミックスも読んでいる私としては、ようやくここまで来たんだなと少し感動を覚えました。
ジオリジンの最後を飾る作品としては満足だったのですが、全体的に当たり障りなく描かれている部分にもったいなさを感じる場面があったのも事実です。
もっと原作を掘り下げて、時間を割いても良かったのではと感じるところもありました。
作品にはいい面ばかりではないこともあるので、とらえ方は人それぞれですが、私なりに感じた作品の魅力をここから詳しく紹介していきます。
シャアの活躍は少ない印象
前作の「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅴ 激突 ルウム会戦」ではルウムでの戦いが始まり、シャアが連邦軍の艦隊に突入していくところで終わりました。
今回はその続きからだったのですが、ルウム戦役でのシャアの活躍が期待していたよりは少ない印象でした。
連邦側はまだモビルスーツの本格的な導入はしていない状況なので、戦闘機などのアタッカーと戦艦を相手にシャアザクは一方的な攻撃で勝利を収めているわけです。
通常の3倍のスピードで駆け回るその様子に、「赤い彗星」と呼ばれるようになったのもこの戦いでの活躍があったからということ。
この戦いでシャアは戦艦5隻を沈め十字勲章をもらい2階級特進、晴れてシャア少佐となりました。
活躍の場面は少なめでしたが、シャアのイメージはここで完全に作り上げられ、ファーストガンダムへと繋がる道筋ができあがったということですね。
少ない戦闘シーンの中でもシャアのモビルスーツが活躍するシーンは満足のいく仕上がりだったので、ルウムでのシャアの映像はおすすめです。
映像は回を追うごとに進化している
2015年から始まったこの作品も回を追うごとに映像が進歩していて驚きます。
CGの技術が進歩しているということなんでしょうけど、戦艦や戦闘機の映像は毎回緻密になってきていて迫力があります。
戦艦同士の撃ち合いのシーンは重厚感があって非常に見ごたえがありました。
考えると、以前は戦艦が戦闘機のような動きをして小回りで素早く逃げていくところとか、えらく不自然だったシーンもあったので、今回は文句なく素晴らしい出来だったということですね。
自分的にも戦艦やモビルスーツは重厚感があってこそ存在感が増すと思うので、それを見事に描くことができているシーンに満足です。
ほぼコミックスを忠実に再現
コミックスから入ったファンとしては、コミックスのシーンをけっこう忠実に再現できていたので、満足のいく仕上がりになっていました。
アニメ化されると、原作にそぐわない不要なカットやオリジナルキャラが目につくのですが、今回もそんなシーンはいくつかありましたが、あまり違和感なく入り込めていたように感じます。
これも安彦先生が総監督をしているためかなと思ったりもしたし、とくに良かったのはマ・クべが美術品の説明を受けているシーンですね。
本編の流れからすればカットしてもいいシーンですが、あえて時間を割いて入れたおかげで、安彦色が強くなりちょっとした笑いも入ったため、アクセントがあって非常にいいシーンになっていました。
このシーンがあるおかげでファーストガンダムのマ・クベのセリフ「あれはいいものだ。」が意味を成してきますね。
ファーストガンダムに向けた布石となるか
今回のルウム戦役はファーストガンダムの前振りを知る上では、参考になる情報がたくさん詰め込まれています。
あまりにスムーズに話が進むので、ファーストガンダムは当たり前のようにやるんじゃないかと思いますが、正式発表はまだなんですね。
逆にここまで見せておいてやらなかったら、それはそれでもったいないことです。
サンライズで発表された次回作のガンダムは「機動戦士ガンダムNT」と決まって2018年11月に劇場公開が予定されています。
安彦ガンダムファンとしてはオリジンの流れでファーストガンダムのリメイクを期待していただけに残念ですが、いづれはやるだろうと期待を込めて待ちます。
この作品がファーストガンダムへの布石になっているのは間違いないので、あとは時間の問題でしょう。
今回の見どころは
今回の作品で注目のポイントはいくつかあるのですが、特に一押しのポイントや見どころをピックアップしてみました。
映像化されたからこそ見られるものやコミックスで盛り上がったシーンを挙げたので、紹介していきます。
ファルメルのブリッジ内が見ごたえあり
ドズルからV作戦の基地を探し出し、叩き潰すという隠密作戦の任務を依頼されたシャアはムサイをグレードアップさせた戦艦を与えられます。
戦艦の名前は「ファルメル」ムサイを越えたムサイです。
ブリッジに乗り込んだシャアの映像が出てきますが、ファルメルのブリッジ内の内装というかデザインがすごく良くできていて、感動したのでよく見ていなかった方は一度じっくり見て下さい。
渋い感じの内装で細かく描かれているのがわかり、これはコミックスでも描かれていなかったので、アニメならではの演出に引き込まれます。
コミックスではどうしても書ききれないところを、アニメが見事に補ったといういい例ですね。
シャアとレビルのやり取りも期待通り
このシーンはコミックスでも最高に盛り上がったシーンです。
このシーンがあったからこそ1年戦争が始まった、といってもいいシーンですね。
ファルメルの試運転中に偶然捕らえた、ありえないジオン宙域での連邦軍の戦艦。
警告射撃で停止させた連邦の戦艦に一人乗り込むシャア、そこで見たものは連邦の奪還作戦によって救出されたレビルでした。
いるはずのないレビルを目の当たりにしてシャアが取った行動とは…
シャアの意気な計らいに最高に盛り上がるこの場面も期待通りで大満足なので、まだ見ていない方は、ぜひ自分の目で確かめてください。
エンドクレジット後も見逃すな
本編終了後に流れるエンドクレジットの後にも映像はあります。
そのシーンを見逃すともったいないので、最後まで席を立たないで見ていてください。
そのシーンはファーストガンダムへ繋がる重要なシーンです、いよいよホワイトベースが登場します。
そして、オリジンの本編にはまだ出ていなかったブライト・ノアも登場します。
これは予告編ですでに出ているので、知っている方も多いと思いますが、サイド7へ向かう途中のホワイトベースなのでファーストへの期待がめちゃくちゃ高まるシーンです。
残念なところも紹介
良いところだけではなく残念なところも紹介していきます、これはあくまで私自身の個人的な意見で悪意はありませんので、ニュートラルな目線で見ていただければ幸いです。
レビルの声が若い印象
連邦軍大将レビルの演説のときの声が若かったような気がして、少しだけ違和感がありました。
レビルといえばルウム戦役で黒い3連星に捕獲された後は捕虜生活を送ることになり、連邦の奪還作戦の後、演説を行いジオンとの戦争が続行された経緯があります。
演説はジオンから救出された直後なので、声も疲れ切っているはずなのですが、演説の声はなんだか若々しくしっくりこなかったですね。
ファルメルの動きに違和感
ドズルから与えられたファルメルを試運転するシーンがありましたが、ファルメルが一回転するところは非常に不自然で違和感がありました。
戦艦を与えられ舞い上がるクルーたちの高揚を表現したのだと思いますが、巨大な戦艦なので軽い動きはやはり合ってないし、重厚感もなくなるので少し残念なシーンでしたね。
コミックス版との違い
コミックスとの違いは細かいシーンはいくつもありましたが、大きな違いを挙げてみました。
コミックスと違っていてもストーリーに支障はないですが、やはり気になるので紹介していきます。
ルウムにペガサス級が参戦
本編冒頭のシーンにホワイトベースかはわかりませんが、ペガサス級の強襲揚陸艦が映っていました。
連邦の主力戦艦であるマゼランやサラミスと違い、次世代の戦艦なのであまり活躍しすぎるとルウムの戦いも戦局が違うものになっていしまいます。
サービスカットで登場させたものだと思いますが、コミックスにはこのタイミングでは出ていなかったので、それ以降の活躍が気になりますね。
テム・レイの研究資料押収
テム・レイの自宅、つまりアムロが住む家に連邦が押し入りテムの研究資料をすべて持ち去ったというエピソードは完全なオリジナルですね。
アムロが建設現場の向こうにあるとうわさされる連邦の基地への進入を試みるが失敗、事務所でガンダムのことを口に出してしまいます。
秘密裏にすすめられている計画だけに、連邦はすぐに行動しテムの自宅から研究資料をすべて持ち去ったというこのエピソードですが、気になることも多いです。
それはテムが勝手に自宅にガンダムの資料を持ち込んでいたのか、それとも自宅に仕事を持ち帰っていたのかわかりませんが、ガンダムの計画をすすめようとしていたのはテムの方で、計画が秘密になったのは後のような気がします。
なので、テムの自宅に資料があるのはなんらおかしなことではないし、今回は連邦が先走りすぎたということですね。
カイがアムロを止めるシーン
アムロが車で自宅を出ようとしたときにカイが出てきて、会話するシーンがあります。
コミックスではもちろんないシーンですが、アニメの本編であってもこのシーンはあまり意味のないシーンのように思えます。
コミックスを良く見てもこのころのアムロは徒歩かスクーターなので、車に乗っていること自体も微妙な印象を受けます。
まとめ
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生赤い彗星の感想と見どころを紹介しました。
シャアが主人公となるジオリジンの物語はこれで一区切りがつくことになります。
子供の頃からファーストガンダムを見て育った世代の方は、この作品は興味深く見られて、ファーストガンダムの謎もとけてストーリーもつながる、ということで楽しんで見れる作品であると実感しました。
コミックスを読んでいなくても全然楽しめる作品ですし、コミックスを読んだことがある方は比較することでより楽しめる内容なので、ぜひ一度は見てほしい作品です。
ジオリジンは全部で6作品ありますがブルーレイでも動画配信サービスでも手軽に見られるので、自分に合った見方で探してみて下さい。
ちなみにAmazonプライムビデオでは会員になると見放題で見れるし、特典も山ほどついてくるのでお得感が一番あります。
詳しく知りたい方は
関連記事⇒初心者でもわかるAmazonプライム・ビデオとは?をご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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