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機動戦士ガンダム
THE ORIGIN Ⅰ
青い瞳のキャスバル 感想
ガンダムの原点を知れば過去の疑問がスッキリ解決する
子供の頃から見ていた「機動戦士ガンダム」いわゆるファーストガンダムというやつですが、今回はそのファーストガンダムの歴史をさらに掘り下げた作品、安彦良和先生原作の「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の初めて映像化された記念すべき第1作「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル」を見た感想をガンダム好きなブレイクが書いていきます。
あらすじ
宇宙世紀0068年。サイド3ムンゾ自治共和国を率いるジオン・ズム・ダイクンは、宇宙に進出した者たちの革新を図るために地球連邦政府からの独立を決意する。だが、それを議会で宣言しようとした演説の最中に倒れ、そのまま命を落としてしまう。ダイクンの側近ジンバ・ラルは、彼の死がザビ家による陰謀だと訴えたが、ザビ家の暗躍はとどまることなく、サイド3ムンゾの実権を掌握しようとする勢いは増していく。一方残されたダイクンの子供たち、キャスバル・レムとアルテイシア・ソムは、ザビ家の政敵に引き取られる。
感想
ガンダムでの主要なキャラクターであるシャア、セイラの幼少期を描いた作品である。コミックスでは同タイトルの第9巻-シャア・セイラ編・前編-に当たる内容の映像化。
物語の原点であるジオン・ズム・ダイクンはいかにして暗殺されたのか。
後のシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)はいかにしてザビ家に対する復讐心を持つ事になったのか、などの疑問が解決する内容となっています。
冒頭部分のルウム戦役でのシャア専用ザクの戦闘シーンと物語中盤のガンタンクの戦闘シーン以外はモビルスーツの戦闘シーンはありません。
なぜならば、これは宇宙世紀0068の話だからである。
モビルスーツのガンダムが出てきて活躍するのは宇宙世紀0079なのでガンダムはまだ開発すらされてはいないので当然といえば当然なんですが、何も知らずにこれを見た人は肩透かしを食らった感じになることでしょう。
しかし、ガンダムがなぜにここまでファンを獲得し、長年愛され続けたアニメなのか考えてみると答えはすぐに出るはずです。
ガンダムの原案、監督の富野由悠季氏はプラモデルから火が付いたアニメとたびたび言っていますが、本当に素晴らしいのはモビルスーツやメカの魅力もさることながら物語としての人間ドラマの魅力であると、これを見ればわかることでしょう。
クラウレ・ハモンがストーリーの前編にわたってキーマン的な存在となり話が進みます、特にガンタンクに乗っていた連邦軍の兵士をボコったところは必見でちょっと笑えます。
逆に少し残念なところはと思って探したが、あえて言えば冒頭のルウム戦役のシーンで連邦軍の戦艦が旋回するところが早すぎて重量感を感じなかったところですかね。そのほか本編すべての出来はいいものでした。
アストライアのわが子を思う気持ち、ザビ家の独裁をもくろむ思惑、その騒動に巻き込まれたラル家の苦悩。
いろいろな思惑が交錯するなか、歴史はガンダムのスタート地点である宇宙世紀0079へ向かって進みます。
ガンダムを見て夢中になったあなた、これを見ればガンダムの原点をわかりやすく知ることができて、なおかつこれを見た後にガンダムのアニメを見返すことで楽しさが倍増することと思いますので、必ず一度はチェックです。
心に残った名シーン
最初の見どころはキャスバルとキシリアの話し合いのシーン、キシリアに脅されても動じないキャスバルのプライドの高さが伺え、今後のキャスバルの性格を決定づけるシーン。
一番の見どころはやはりアストライアとシャア、セイラの別れのシーンです。
塔に幽閉されたアストライアにガンタンクの頭部からシャア、セイラが身を乗り出し手を振る別れのシーン、もう二度と会えないと思うと涙なしでは見られません。
最後はガンタンク同士の撃ち合いのシーン、敵に対して容赦なく攻撃するキャスバルの冷酷な性格が垣間見えるシーン。
引っかかった疑問点
サスロの暗殺・・・サスロは一体誰に暗殺されたのでしょうか。キシリアに暗殺されたのが濃厚ですがビンタされた腹いせに暗殺では怖すぎです。
それ以前に貯まっていた鬱憤があるのは想像できますが、その辺の詳細を知りたい。
クラウレ・ハモンの情報通ぶり・・・ハモンの活躍の裏には誰がいるのか、ガンタンク一台を操縦士ごと買収できるのは相当なコネが必要なのでは。
連邦、ジオンともに情報提供者がいるってこと?クラブエデンで酒を飲ませて泥酔状態で情報を聞き出していたとか疑問は残る。
キャスバルの射撃の腕前・・・一政治家の息子が初めて乗ったガンタンクの射撃を正確に行えるのは天性の才能ってことでいいのかな。
遊び心のシーン
ジンバ・ラルの銃がホルスターに入らない件・・・いよいよ追い詰められたラル家。
自宅の厳重警戒をしている部屋に潜んでいたジンバ、ランバが入ってきてあせって銃を出したはいいが、しまうときに相当緊張していたらしく、何度もホルスターに銃を入れようとするが入らないシーン、単純に笑えます。
ランバ・ラルがジブリキャラクターっぽい件・・・漫画ではそんなに感じなかったが、ランバ・ラルはどこかジブリのキャラクターに似ている、意識して寄せているのかはわからないが、ひげがジブリっぽくてスタッフの遊び心を感じた。
まとめ
子供の頃からガンダムを見て育った人は多いと思う。
その中でもファーストガンダムは別格である、ガンダムの礎を築き今やガンダムは様々なガンダム作品へと派生している。
そんな中でこの作品はまさにガンダムの原点です。
子供の頃に見たガンダムを思い出しながらこの作品を見ていくと、次々にストーリーやキャラクターが昔見たガンダムと結びつき、頭の中がすっきりしていく気持ちよさがあります。
今後も続いていくこの作品、どういう展開を経て宇宙世紀0079を迎えるのか楽しみにしながら見守っていきたい。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア 感想 はこちら
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